【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第2章 海賊狩りのゾロ
女の子は、塀に足を掛けた。地面に目を向ける。飛び下りるには少し、高すぎるだろう。コビーも必死に制止している。女の子は暫く躊躇っていたが、両手を離して、塀を蹴った。膝から落ちて、次に手で地面を突く。四つん這いの姿勢から何とか立ち上がって、ふらつく足取りでゾロの方へ向かっていく。
「あ...!!ちょっときみ、危ないよ‼」
女の子が、立ち止まった。ゾロが、女の子を見下ろす。
「? オイ何だてめェ」
コビーが、女の子を指差してルフィに顔を向けた。
「ルフィさん止めて下さいよっ!!あの子殺されちゃいますよっ!!」
「自分でやれよ、そうしたいなら」
圧倒的身長差から見下してくる威圧的なゾロの目から、女の子は逃げる事も無く、その場に佇んで動かない。それどころか、何やらポケットの中を漁っている。
「殺されてェのか...消えなチビ!!」
女の子は、竹の葉を広げて、まん丸二つのおにぎりを見せると、両手に持って、花が咲くような明るい笑顔をゾロに向けた。
「あのね、私おにぎり作って来たの!お兄ちゃんずっとこのままでおなか空いてるでしょ?」
「私はじめてだけど、一生懸命作ったから...」
「ハラなんかへっちゃいねェ‼
そいつ持ってとっとと消えろ‼」
「だけど...」
「いらねェつったろ‼帰れ‼
踏み殺すぞガキ‼」