【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第1章 未来の海兵
微風を受けて、旗が小刻みに波打っている。旗にはデカデカと、ドクロの横顔。
真っ赤な爪を乗せた指先が、緩くカーブがかった船べりの上をつたう。指の腹を表にすると、綿埃が肌の色をくすませた。
「何だい?このホコリは...」
掃除係のクルーが、分かりやすく肩を跳ね上げた。焦りの表情を浮かべて、彼は必死に弁解する。
「も...も‼申し訳ありません‼アルビダ様
船は隅から隅まで掃除したつもりでしたが...‼
も...もう一度やり直しますので...ど...どうか...‼」
「どうか...何だい?」
冷えきった視線が、クルーを突き刺す。鉄特有の鈍い光を携えて、それは振り上げられた。