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【HQ澤】不思議な桜

第6章 芽生えたのは


そんな事を考えているうちに文化祭になり、
その間澤村とは会えない日々が続き、
噂で県大会?を順当に進んでいると聞いた。
自分を見つけてくれる大事な人、
会えなくなる人、
会えない人。
「いつか呪いの桜になっちゃうよ」
と練習中に言われてた宮田からの言葉は、色んな考えにごちゃごちゃになってしまって役に沈んでいた名をはっとさせた。
「代々主人公を見守る桜になりなよ」
そう言われて府に落ちた桜の精の役。
『これからも、あなたをずっと想っている』
それをきちんと言える気持ちが持てる役。


文化祭当日。
「大地ー飯食い行こー」
この期間は授業もなくちょっと贅沢な時間だ。
「この後どうすっかー」
「体育館は使えたろ?練習すっか?」
と菅原と東峰。
「あー、俺劇部見てくるわ」
と澤村が恥ずかしそうに言うと
「うわ、出たよ。もうずっと会ってないじゃーん」
と菅原。
合宿から帰ってくると名は場所を変えた様で、思い当たる箇所は殆ど探したが見当たらず、遠征があり、練習があり、試合がありとなぁなぁになってしまい今に至る。
「いいだろっ、別に行ったって。ほっとけ!」
ギクシャクしながらも1人演劇部の公演に向かう澤村に
「なぁ旭、今の大地見た?」
「見た」
「照れてたよな?」
「照れてたなー」
「・・・・え?」
「え?」
不思議がる菅原と、その菅原に不思議がる東峰。
一方、1人演劇部に向かう澤村は内心ドキドキもんだった。
(劇とか全然わかんねーし、でもまぁ、なんか、会ってないからなぁ)
と公演のための列に並べば、後から来た菅原達に合わせて最後尾に移動する。
「なんだ。来たのか」
「大地が興味あるものに興味がある」
ニシシと笑う菅原に
「俺もー」
と東峰。
意外にも演劇部は人気があるようで客が入り
「俺らも試合とかやったら集まるんじゃね?」
「それやるなら今年やりたかったな」
「来年OBで参加すればいいだろ」
(((ってもこの時期はそれどころじゃねーな)))
そんな三人をよそに始まる演劇。
しばらくして出てきた名。
(あ・・・)
衣装は初めて出会った時の着物に、髪も桜色の名の姿。
(髪色違ってても似合うなぁ)
と見惚れている澤村。
そして、初めて会った時に思った感情が蘇る。
桜と一緒になってた少女。
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