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【HQ澤】不思議な桜

第5章 進展?


「よ」
もう宮田ちゃんも来なくなり、澤村先輩との部活前が定着してしまった今日この頃。
部活の事、中学の事、好きな食べ物、誕生日に身長に靴のサイズ。
きくことがなくってきた今日この頃のはずなのに、なぜか一緒に居ると
「昨日宮田先輩に誉められたんです」
なんて、澤村にはどうでも良いことを
「おー、やったじゃん。」
と分かち合ってくれる。
それが妙に気に入ってしまい、時には
「あー本当にあいつら、もう少しで良いから勉強も頑張ってくれないもんか」
とたまにこぼす愚痴を聞いたりして、
(けど、絶対に悪口は言わないんだよな)
と澤村を感心していた。
「うちの部長なんか遅刻したらダメ!とかそんなんばっかですよ?」
「それは俺でも言うわ」 
そう笑う澤村とのこの時間。
「大地部活行くぞー」
と菅原がベンチ後ろの窓から声をかける。
そんな二人を見送り、名も演劇部へ向かって部室につけば、外では丁度体育館へ入る姿を見かけ
(先に行ったのに同じタイミングになるのか)
と思い、ある事を考えた。

それから2日、
(今日も居ない)
と澤村がいつもの場所に向かうと名が見当たらない。
始めの内は文化祭も近いしで部活にきちんと出てるのかと思いきや、次の週にも現れない。
「ふつーに部活なんじゃね?」
「大地さんが気にする事ないっすよ」
と部活ではそう言われたが
(探してみるか)
と校内を散策する事に。けれども、
「さすが宮田とやり合ってただけあるな!」
と、探し出して三日目。なかなか見つからない名を菅原が笑う。
「どこ行ったんだかなぁ。宮田はよく見つけてたよな」
「本当な。面倒見が良いっつーかなんと言うか」
そう話ながら部活着に着替え体育館へ入ろうとすると
「あ」
「ん?」
と菅原が声をあげた事に反応すれば
「大地あれあれ」
と菅原が澤村をひっぱり、外廊下のさらに奥を指す。
見ればそこには名の姿。
「悪い菅原。先行ってて、遅れはしないから」
と澤村が名の元に駆け寄るのを菅原は
(あの子のどこがそんなに良いのかねぇ)
と見守っていた。
一方、
「やっと見つけた」
と澤村が名に声をかけると、はっとした表情をした名。
「まさか、こんな近くに居るとは」
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