第5章 始動
ーネイア!ネイア!
なんでしょう。私の名前を呼ぶ声が聞こえますわ。
白澤「ネイア!起きてよっ!ネイアっ!」
これは、お兄…白澤の声。
どうしてでしょう。
『白澤、どうしたのでしょうか?』
白澤「よかったぁぁ!!!やっと目が覚めて!!」
白澤が私を抱きしめる。もうっ、苦しいですわ。
その時扉が開き、鬼灯様が入っていらした。
私に抱きついている白澤に気付くと、強烈な蹴りで白澤を飛ばす。
うわぁ、痛そう…
鬼灯「おはようございます。1日経ちましたよ」
え、あ…
そうだった、私が“殺した”んだった。
鬼灯「正直に申し上げますと、あなたのお手柄です。
あの程度の被害で済んだことが奇跡です。」
あの程度?
そんな軽々しい言葉で済ませていい訳?
鬼灯「あなたの功績を称えて、地獄の第一補佐官の助手をしていただきます。」
白澤「うわぁ、ネイアちゃんすごいよ!」
なんで?
白澤も約束破ってしまったこと気付いているんでしょう。
怒ってくださらないのですか?
私を怒ってくださいまし。
…あぁ、そんなことすらする価値も無いということですね。そうですわ。
自分の後始末ぐらい自分でしなければ。
鬼灯「どうしたのですか?嬉しくは無いのですか?」
『滅相もありません。ただ驚いてしまって…
ところで、あの鬼様は?』
鬼灯「あぁ、あの方はすでに亡くなっていました。
巷では地獄を救った英雄と評判に。
…あなたが気に病むことは無いのですよ」
これは仕方のなかったこと。そう言って、仏頂面でこちらを見つめる。
それが無性に嫌で仕方がない。