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【銀魂】 ねこの恋

第4章 赤面ヒーロー (土方)




「土方さん、近いです」
「もしかして、もしかしてだが、
そいつ、腰に木刀差してたか?」

瞳孔をカッと開いて
聞いてくる土方さんの
威圧感が凄くて、
もう声が出ない。

黙ってこくりと頷くと
私の肩から手を離し
がっかりしたように項垂れた。

「土方さん?」
「…銀髪だっただろ」
「あ、はい」
「クルクルだっただろ」
「そうですね、
モフモフしてそうでした」

どうやら私の一目惚れした相手は
土方さんの知り合いってことらしい。

「お知り合いですか?」
「そんなんじゃねーよ」

土方さんは
ふぅ、と煙を吐きながら
じっと私の目を見た。

「藍子、あいつはやめとけ」
「なんでですか?」
「金も仕事もねーくせに、
酒とギャンブルが大好きな
ダメな野郎だからだ」
「詳しいですね」
「うるせぇ」

どうしたものか。
私はこう見えて
土方さんのことをとても信用している。
だから、この人がここまで言うってことは
それなりに理由があると思う。
よし、聞いてみよう。

あの、と言いながら
顔を上げてみる。
だが、

「あいつはダメだ。なら俺にしとけ」

土方さんの口からでた
思いがけない一言に
考えていたこと全てが
飛んでいってしまった。

「…土方さん」
「…なんだよ」

「似合わないですね、そういう台詞。」

「うるっせェ!」

目の前の土方さんは
顔を真っ赤にしながら、

「大体お前はなァ!」

なんて、怒鳴り散らかしていて。
そんな姿を見ながら、

「それも悪くないかもなぁ」

なんて思い始めた自分がいた。



(赤面ヒーロー)


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