第17章 心配と欲望
15分後、遠征に行ってくれた四人が帰って来た。
主「お、お帰りぃぃぃぃぃぃ!!!」
15分といえど、心配で心配で仕方無かった。
もしかしたら敵に襲われるかも知れない、もしかしたら何かの事故で怪我をしてしまうかも知れない。
そんな事を想うと、四人が行ってからというもの…涙が止まらなかった。
~ * 15分前の本丸 * ~
主「うえええぇぇぇぇぇっ、皆怪我したらどうしよぉぉぉぉぉぉっ!!」
薬研「うぉっ!?いきなり泣き出したな…大丈夫かよ、大将」
背中を擦ってくれる薬研、良い子過ぎて…それも相俟って涙が止まらない。
主「もう駄目!心配だから皆帰って来る様に指令だすぅぅぅぅぅ!!!」
宗三「大丈夫ですよ、たかが15分じゃないですか」
主「たかが15分で怪我したら?そんなの耐えられないよ~~~~っ!」
小夜「主様…大丈夫」
「小夜ちゃぁぁぁぁんっ」
そっと手を握ってくれる小夜の優しさに、膝をついて彼をぎゅっと抱き締め泣き続けた。
鶯丸「心配されるのは皆喜ぶと思うが…悪い方に考えれば、事は悪く向く」
薬研「だってよ?ほら、泣くなら彼奴等が帰って来てからにしろよ。ああ…俺に組み敷かれて鳴いてくれても良いぜ?」
……なっ!?
耳元に近付き、再びあの艶めいた声で囁かれる。
涙が引っ込み、頬に熱が集まってくる。
囁かれた耳が、痺れた様に熱かった。
小夜「主様、頬が赤いです…熱?」