第10章 来派
主「こんのすけ!」
こんのすけ「はいはい、どうしましたか?…って、普通こんな時に呼びますか!?」
主「緊急事態!怪我してるの!!私、まだ手当ての仕方が分からないの!どうやったら良い?普通に手当てしたら良い!?」
愛染「まさか…俺の事か…?」
蛍丸「俺の主は、馬鹿が付く位嘘が吐けない正直者なんだ。国俊の事、心配なんだってさ」
ん?ほたるん、今軽くディスらなかった?
でも蛍丸の言葉があってか、未だ警戒を残しながらも国俊は刀を下ろした。
こんのすけ「資材がありませんからなぁ…神力を直接注ぎ込む方法ならばありますぞ?」
主「良かったぁ…治療出来るんだ…」
愛染「治…療?あんた、俺は刀だぜ?人間じゃ…」
主「怪我してる。怪我して痛いって思うなら、私も同じだもん」
愛染「……っ」
再びこんのすけに視線を移した。
こんのすけ「肉体の交わりが深ければ深い程、神力は多く注ぎ込む事が出来ます。まあ、審神者が神力を与え様という意志が無ければ成し得ませんが」
主「肉体の交わり…?えっと、解り易く説明プリーズ」
こんのすけ「口吸いや夜伽での交わりです。生娘じゃあるまいし、何を…」
主「…っ…!?」
頭の先から足の先まで熱くなる程にカアアッと熱が集まる、その様子を見たこんのすけが口をパクパクとさせた。
こんのすけ「まさか…本当に生娘なのですか!?」
主「き、生娘生娘連呼すんなーーーっ!!」
愛染「ぷ…あははっ、蛍丸の主は変わってんな!」
加州「ちょ、ちょっと待ってよ!主とキスするっていうの!?」
こんのすけ「でなければ、あの者を手入れする事は出来ません」
どうしたものか…私、ちゅーなんてした事ないんだけど。
いやほら、親はノーカウントでしょ?
でも…あの子を助けたい。
愛染「あー…久々に笑った。なあ、あんたに折り入って頼みがあるんだ。あんたを本当に信じて良いんなら、国行を…助けてくれないか?」
ふっと表情が暗くなる国俊、そして泣きそうな顔で訴え掛けて来た。