第8章 びっくりな朝食
今度は昨日とは逆だった。
加州「主、おはよー。昨日俺が言ったの、ちゃんと覚えててくれたんだ?俺、愛されてるなー」
亀甲「ご主人様、おはよう御座います。今日は僕を先に呼んではくれないんだね…少し、寂しいな」
亀甲…昨日の今日で少し落ち着いたのか?
寂しげに瞼を伏せるその様子に、心が痛む。
蛍丸「へー…俺より先に来た二人って、この二振り?」
いつの間にかテーブルに料理を並べ、ちょこちょこと私の隣にやって来ていた蛍丸。
ぴったりと私にくっ付き、手を握ってくる。
うん…可愛過ぎかよ。
加州「え…誰?」
亀甲「一体誰だい?ご主人様」
主「えっと、今朝顕現して来た蛍丸。まだ来て間が無いから、二人共優しくしてあげてね?」
蛍丸「俺、主以外に優しくされても嬉しくない」
フイ、と顔を背けてしまう蛍丸。
いきなり起こった出来事にきょとんとしている目の前の二人。
どうしたものか…と、頭を悩ませていると…。
蛍丸「なーんてね。阿蘇神社にあった蛍丸、大太刀だよ」
主「え…ほたるん、仲良くしてくれるの?」
蛍丸「勿論。だって、主が悲しい顔するでしょ?その方が…嫌だしね」
私が悩んでいたのを見て、考えを変えてくれたらしい。
何だろう…凄く嬉しい。
加州「いきなりで驚いたけど、宜しく。俺は加州清光、沖田総司の刀だったんだ」
亀甲「まあ…ご主人様が言うからね、此処は穏便にいこうか。僕は亀甲貞宗、名前の由来?ふふ…ご想像にお任せしようか」
亀甲の名前の由来?何だろう…亀甲って亀の甲羅、浦島太郎の刀?
いやいやいや、浦島太郎は漁師だったんじゃなかったっけ?っていうか、お伽噺でしょ。