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呑み込んだ言葉のお話 ( R18 ) ハイキュー

第2章 射抜く瞳







「沙奈、さん」

『ッ .. びっ、くりした』

「あ、いや、ごめん」




申し訳なさそうに呟く彼の名前は ..




『えっと影山飛雄くん、だよね?』

「知ってたのか」

『 ... うん、まあね』







( ねえ沙奈聞いてよ! )

( 新しくバレー部に入ってきた新入生がちょーーー生意気でさ! )

( なぁんかすました顔してて腹立つんだよねぇ )

( え?名前? ... なに、気になるの )

( 別にッ 及川さんはこんな事で拗ねませんもんね〜 )

( 影山飛雄、っていう黒髪の生意気そうな顔のやつ )

( ぜっったい!近づいちゃ駄目だからね!)






嫌だな、ほら、

すぐ思い出すじゃん




どんな景色もどんな会話も
彼との思い出を蘇らせていく材料でしか無い




徹と別れた9月からずっとそうだ




目の前に影山くんがいることも忘れて
私は校舎裏にある大きな桜の木を見詰めていた







その時だった、

あの視線を感じたのは







『ッ ... !』




ゾクリ と背中に何かが走る感覚がして
慌てて向けたその視線の先には
熱っぽい目で私を見詰める影山くん





「なあ、沙奈」

『な、なに』






「俺、沙奈のこと好きだ」






影山くんはそう私に告げると

ゆっくりと私に近づいてくる





あ、

これ、

絶対逃げなきゃいけない





頭の中では分かっているのに
一度混じり合ってしまったその視線から
私は何故だか目が離せなくて




影山くんは片手を私の頭の横に手をつき
もう片方の手を自分の膝の上に置いて少し屈んだ







「ありがとう」






( なにを? ) そう聞き返した筈の言葉は
声にならずに消えていく





影山くんは、



優しく私にキスをした
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