第1章 まず浮気をされた話
北川第一中学校
1年A組
進学コースと言われているそのクラスには
北川第一中学校1のマドンナが在籍していた
〝 泉 沙奈 〟
この物語のヒロインである彼女だが
彼女に浮ついた声を掛ける者は1人も居ない
そう、たったの1人も
「こんなとこにいたの? 沙奈」
『あ、ごめんね徹』
「ううん遅くなっちゃって俺もごめん」
フワフワとした茶髪を揺らしながら
優しく、甘い顔で微笑む彼は及川徹
この2人は学校の誰もが知る
美男美女カップルである
だがそんな幸せもつかの間
この章の章名を思い出していただきたい
〝 まず浮気をされた話 〟
それでは及川徹の呑み込んだ言葉 ①
「 だってね、 沙奈ってば
俺より岩ちゃんといる方が
楽しそうなんだもん 」