• テキストサイズ

氷華血鎖【鳴門】

第38章 一部・残酷な未来


どうにせよアタシ自身の能力向上は必須だし、これからの未来を少しでも良い方向に持って行く為にも弟妹やミツさんには強くなってもらわなくてはならない。



-ガサ…-



『来たわね』



本気になったら負けとか啖呵切っちゃったから本気にはならないけど…手は抜かない。
普通ならば、この歳はまだまだ華。だけど短命なアタシ達一族からすると枯渇と衰えは感じてる。



『かと言っても』



アタシだってまだまだ全然ピッチピチのピッチピチだからねぇ。枯渇しているとは言え…



『もう暫くは現役だから』





※※※





「っ痛…」

『御免、加減はしたんだけど…』



たった一撃。想像以上に重たい鉄拳を腹に一発貰っただけで呆気なく勝負は終わった。
一番体力のある俺が陽動。そしてその隙をトシがサポート。その間にマツが罠を張ったりという作戦だった。だけど全て見透かしてる様に俺の体術や忍術、トシの手裏剣術、マツの頭脳も一切通じなかった。



『作戦は悪くなかったんだけどねぇ…まだ実力も伴ってないし連携もイマイチ』

「「「………」」」



負傷した俺に医療忍術を施しながら感想を述べるチヅの言葉は深く刺さる。決して驕っていたつもりは無いけど…深海と天空程の差があった。



『あまりこーゆー事はさせたくないけど…暫くは今日みたいな修行を付ける』

「「「!」」」

『無理強いはしないけど…』

「「やる!」」



逃げ道を作ろうとするチヅの言葉を遮って双子が顰めっ面で声を張り上げる。



『…そう。ミツさんは?』

「勿論やる…けど何で急にこんな本格的な修行を付けてくれようだなんて思ったんだ?」

『アタシもいつまでも皆を守ってあげる事は出来ない』

「それってどう言う…」

『もしアタシが倒れたりした時、村を守るのはミツさんの仕事よ』



ちょっと待てよ。何だよその言い方。そんなのまるでチヅが…自分自身がいつか倒れるって予言してる様なもんじゃん。



『まーあ!アタシ強いから簡単には倒れたりしないけどー』

「んだよ、ビビっただろ!?」

『ごめんごめん』



といつもの様に軽い調子で笑う。



「………」

「マツ?」

「何でもない」




















→To Be Continued.
/ 222ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp