第37章 一部・子守唄
「ううん、学校は行く」
「チヅルに診てもらった方が良いんじゃねーか?」
「大丈夫!!!」
「「!?」」
「ちょっと怖い夢を見ただけだから」
絶対に有り得ない。姉様が死ぬなんて。
「大丈夫なら良いんだが早く支度しねぇと学校遅刻するぞ、うん」
「早く着替えないとねー」
きが…え…?
「わー!!!馬鹿馬鹿馬鹿!!!レディになんて事言うのよ!!!」
「え、うわ…ちょ…」
「それにレディが寝てるのを覗き込むなんて最低!!!」
「いやそれは魘されてたから心配で…」
「えっちー!!!すけべー!!!」
-ばっちーん-
「「ぶっ!?」」
※※※
一同「………」
『ちょっと…二人共その頬どうしたの…』
食卓に朝食を並べながら頬を腫らしたトシとデイダラを見比べ、機嫌が悪そうに食事を摂るマツを見て何かを察知した様に苦く笑う。
「こっちは心配しただけなのにマツが…」
「だって!姉様ならどうする?寝込み覗き込まれてた挙句に着替えの事言われるんだよ!?」
信じられない、とそっぽを向く。
『あー…アタシはそんな事滅多に無いけど…そうだなぁ…人によっては殺してるかな』
冗談っぽく笑顔で言うけど、この場の空気が一瞬で凍り付く。
『でも身内だから別に良いじゃない。裸を見られるとかじゃないんだから』
「それは…そうだけど………」
『それにトシもデイダラ君も心配してくれたんだから叩いたら駄目よ』
「ゔ…御免なさい…」
まぁデリカシーの無い言動もどうかと思うが…と心の中で考えながら頬を腫らした二人を見る。
「しっかしまぁ魘されるくらいの怖い夢ってどんな夢見たんだよ」
「えっ…あ、えーと…それが…さっきまでは覚えてたんだけど、あまり覚えてなくて…」
「「はあ!?」」
「まぁ夢なんてものは曖昧ですからねぇ」
「所詮夢は夢だろ」
曖昧な言葉を紡ぐマツに叩かれた本人達は納得行かない様に呆れ、それをフォローする鬼鮫とサソリ。マツも子供ながらに嘘が上手い。チヅルも嘘に気付いてるみたいだが、どうやら言及する気は無い様だ。
→To Be Continued.