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氷華血鎖【鳴門】

第36章 一部・求めていたモノ


「「ん~?」」

「あー…と…こう言うのも何だが、もう少し身の丈にあったものをだな…うん…」

「お金の心配してるの?」

「大丈夫だよ?ほら!」

「「「!?!?!?!?!?」」」



懐から取り出された巾着には子供が持っていい金額ではない大金に旦那達と目を合わせる。



「そのお金は…」

「お小遣いだよ。毎月貰えるお小遣い、ずっと貯めてるの」



だとしてもどうやったらこんな金額が貯まるんだ…うん。



「因みに毎月どのくらい…」

「最低でも10万両」

「「「じゅう…まん、りょう…」」」



下忍よりも良い給料…じゃなくて。何処からそんな大金が出て来るんだ?確かに医者と言うと超安定職業だし、あんな小さな集落にある家でもチヅル達が住んでる家は客室もあるくらい大きい。だがどう見てもあの村は裕福では無いし村人からお金は取ってない様に見える。一体何処で金を稼いでるんだ。





※※※





『本当に良いの…?その…背中の傷治さなくて』

「あぁ」



情事の時にチヅルに何度も爪を立てられて付けられた愛しい傷。多分本人はその事を分かってなくて申し訳なさそうに顔色を伺ってくる。



『御免…アタシ…本当に余裕が無くて…』

「そこで余裕を持たれたら困る」

『え…あっ…』



頬を紅く染めると視線を彷徨わせる。



「何ならもっと付けてもらって構わない…寧ろ消えるのは困る」

『………もう。アタシとしては傷付けたくないし、これからもっとー………っ!?』



慌てて口元を手で抑え込んで口を噤むが、それは無意味。



「これから、もっと…?」

『あ、いや…えっと…』

「チヅル」

『………~っ、駄目!やっぱ無し!弟妹の教育に良くない』



つん、とそっぽを向いて歩き出そうとするチヅルを後ろから抱き締めてうなじに唇を這わす。



『ひゃっ』

「それは理由になってない」

『分かってるなら言わせようとしないでよ』



するりと腕から逃れると足音荒く先に進む。少しからかい過ぎたか…でもこれはこれで愛しいから良し、だな。





















→To Be Continued.
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