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氷華血鎖【鳴門】

第34章 一部・双子の病


「おいデイダラ…」

「違うって旦那!コレは起爆用じゃねぇから!」



咎められそうになるのを必死に反抗してマツと視線を合わせる様にしゃがみ込む。



「まぁアレだ、うん。呆れてると言うより心配で心配で堪らないって感じだな」

「そうですねぇ…チヅルさんにとってお二人が一番ですよ」



此奴等にもこんな慰めの言葉が出てくるものなのか、と内心驚いてはいるがマツは一瞬だけ顔を綻ばせて、また直ぐに俯いてしまう。



「それじゃ…駄目なの」

一同「?」

「私達の事ばかりだと姉様は苦労しかしない…幸せになれない」



それは少し違うとは思うが…チヅルも口数が多い方では無いし、あまり感情を表に出すタイプでは無いから不安に感じる事もあるのだろう。



「じゃあ明日はチヅルさんがどうしたら幸せになれるか一緒に考えましょうか」

一同「………は?」





※※※





「ふっかーつ!マツ、学校行くぞ!」



朝から居間で元気に騒ぎ立てるトシを見やって小さく溜息を吐く。目を覚ましたのは一刻程前なのだが目が覚めるなり泣きながら謝ってきて学校は休む様に言ったんだけど、どうやら学校は休みたくないみたいで。



「昨夜の事が嘘みたいだな…うん…」

「良いのか?」「良いんですか?」

「良くねぇだろ」



口々に言う暁のメンバーの言葉にまた小さく溜息を吐く。



『どうしても学校は休みたくないんだって…まぁ座学だけなら問題は無いと思う』

一同(甘いなぁ…)

『マツ、トシの事ちゃんと見といてね』

「うん」

『トシ、約束破ったら暫く修行禁止よ』

「はーい」



軽い返事に頭を抱えながら今度は深い溜息を吐きながら学校の連絡帳をマツに渡す。



「筆跡がミツ兄やおばさんじゃないよ」

『そんなの誰も気にしないって。もし聞かれたら親戚のおばさんとでも言っておきな』

「姉上が親戚のおばさん?」

『………そうよ』



この歳でおばさんはちょっとツラいけども。





※※※





それはその日の昼下がりだった。
鬼鮫の旦那曰く此処は暁の憩いの場らしくリーダーとかもたまに足を運んでるとの噂。不死コンビは角都の金集めが忙しくて寄る事は無いらしいがリーダーや小南が寄るのは意外で鬼鮫の旦那やイタチに至っては割と長く滞在してるらしい。
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