第27章 一部・正体
太夫の格好じゃ動きづらいだろうし刀を持ってなけりゃ、あの剣術の脅威も無い。戦いの歩合は俺にある。
-ドォオオン-
「チヅル!」
「君の相手は俺だよ!」
※※※
身体が大きい割には速度がある。加えてこの力。接近戦は不利だから中距離戦か遠距離戦に持ち込みたいところだけど。
-ヒュッ-
-パシッ-
-ガッ-
-パシッ-
休む間も無い怒涛の攻撃。アタシに術を使わせない気か。一応無い頭をそれなりに働かせてはいるみたいだけど。
「ちっ…女のくせに大した体術だ」
『女を馬鹿にしてるのも相変わらずねシズル』
-ひゅひゅひゅひゅしゅっ-
「片手印だと!?くそっ…」
『氷遁・氷柱落とし』
-ガガガガガ-
「ちぃっ…(印のスピードも早ぇし片手印とかチートだろ)」
躱されたか。反射神経もお手の物…ってか。昔はアタシなんかの足元にも及ばない大した能力も持たない奴だったのに…生き延びた後に余程の鍛錬を詰んだか。
「素手じゃダメージすら与えられないか…ならば!」
『!』
腰に携えた刀に手を置いて目にも止まらぬ速さで突っ込んでくる。術じゃ間に合わない…となると。
-ギチッ…-
「…ったく…これすらも止めてくれんのかよ。つくづく可愛くねぇ女だ」
抜刀された刀を寸前のところで弦を巻き付けて止める。後数センチで腹を割かれていただろう。
「だけどいくらその弦が切れ味抜群な毒仕込みっつっても…刀には勝てねぇよ!」
-ヴゥン…-
『!』
これはチャクラ流し…!んの野郎こんな事まで出来るのか。
力いっぱい刀を手前に引くとブチブチと音を立てて弦が切れる。そして刀を握り直すと切り返す。
『ちっ…』
-ザシュッ…-
-ポタッ…-
「やった………!?居ねぇ…だと!?」
→to be continued.