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氷華血鎖【鳴門】

第25章 一部・遊郭


イタチさんの姿が…気配ごと一瞬で消えた。恐らく時空間忍術の類でしょうが…こんな術を忍ですらないこんな田舎の集落の村人が使えるとは、なかなかに興味深い。とは言っても使った本人はチャクラ切れで倒れてしまいましたが。



「ミツ兄倒れちゃったし…イタチ兄は何処に消えたの?」

「姉様のところに飛ばした」

「飛ばしたって…どおりで手順が違うと思ってたけど…これって本来姉上を呼ぶ術でしょ?そんな事して大丈夫なの?」

「んー…大丈夫だと思う」



それよりも興味深いのはこの双子…特に姉の方であるマツ。冷静で物凄く頭が切れる。会話から察するに何かあった時の為にチヅルさんを口寄せする為の術。それを逆にチヅルさんの所へイタチさんを逆口寄せ…したのはそこで寝ているミツさんですが指示したのは妹君。学校に通ってる様ですが学校ではそんな事はまだ教えてくれない…となると余程の知識をお持ちだと考えられる。



「きっと姉上帰って来たら怒るよ?部屋に入って勝手に書物見たのバレる…」

「それは承知の上よ!でも…姉様を呼ぶよりイタチ兄様を姉様のところに飛ばした方がいい」

「何で?」

「んもぅ馬鹿!女の勘よ!」



果たして幼女を女性と分類して良いものか…



「鬼鮫おじ様は二人が戻って来るまでゆっくりしてって」

「………そうですね。そうさせていただきましょう」





※※※





煙に撒かれると五感が機能せず、まるで無重力になった様な感覚が一瞬。その後は地に足が付いて煙が消えると先程まで居たハズの村の風景が見覚えの無い一室の部屋。
二十畳くらいの広い部屋の半分は衣桁に掛けられた豪華絢爛な着物や帯が並んでるのが真っ先に目に入る。そして背後から視線を感じ振り向くと化粧をしていたのか紅筆を持ったまま驚いた顔付きで固まる妖艶な女性。



「………」



チヅルと同じ白銀の髪の毛と藤色の瞳。だがチヅルでは無い。チヅルはもっと幼い。どちらかと言うと…そうだ、チヅルの記憶で見た祖母の面影がある。
どう言う事だ。マツの指示のもと術を発動したのはミツ。恐らく時空間忍術の類だろうが…これは…



『イタチ…さん………』

「………チヅル、なのか?」

『何で…此処に………あ!』



小さく声を上げると頭を抱える。
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