• テキストサイズ

氷華血鎖【鳴門】

第24章 一部・獲物


『旦那…否、殿方の望むままに芸を披露致しんしょう』

「芸かー…」



シズルが考え込むとユキト兄様が俯いたまま口を開く。



「三味線が…聴きたい」

『三味ですか…良いでありんすよ』



男衆を呼んで三味線を持って来させる。今度は音にチャクラを込めない。まだアタシだとバレてないから下手な事をして正体をバラす訳にはいかない。じっくり…ジワジワとその喉仏をカッ捌いてやる。





※※※





バシャと水面を蹴る音が背後で響く。



「何故退く必要が?貴方なら…」



故郷に足を運んだ。里自体はとても酷いものだったし多少の戦闘はあったものの弟の安否は確認出来た。人柱力である彼も焦る必要は無い。それに俺も当分は一所で身体を休めねばならない。



「月読は愚か…天照まで使わされてはな…」

「でしたらチヅルさんの所へ行きましょう。此処からでしたら遠くない。寧ろ近いです」





※※※





チヅルが住む村に行けば出迎えてくれたのは双子とミツだった。



「イタチ兄…!どうしたの!?」

「チヅルさんは居ますか?」

「姉上は…」



トシが困惑する様に言葉を詰まらせるとマツがトシを押し退けて袖口を捲って注射器を取り出す。



「イタチ兄様、少し血を頂戴。大丈夫、姉様を見てるから。ミツ兄は姉様から預かってる巻物出して」

「なっ!?何でそれを」

「いいから」



マツに言われるがままにミツは術式の書いてある巻物を広げるとマツは注射器で俺から採取した血を巻物に垂らす。



「姉様から教えて貰った印を順番逆にして結んで此処に手を置く!」

「はいっ!って…えぇ…何で俺が…」

「待ってマツ。それだと…」



-ぼふん-



トシが何か言いかけたところで煙に撒かれて五感が遮られる。




















→to be continued.
/ 222ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp