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氷華血鎖【鳴門】

第23章 一部・策励


豪華絢爛な建物。屋根裏に忍び込んで天井の隙間から様子を伺う。視界が狭くて見づらいが机に突っ伏しているのはこの国、砂隠れの上層部。どうやら寝ているらしい。その隣では雑誌で見た太夫が子守唄の様に三味線を奏でていた。



-ピタッ-



と止まる音。太夫はぐるりと部屋の中を見渡し、そして天井を見上げる。



「!!!」



その瞬間に飛んで来た千本が天井の僅かな隙間を通る。危ない。危うく目に刺さる所だった。



「何だ鼠か」

『旦那様』

「いい夢を鼠に邪魔されちゃあ夢見が悪い」



この千本を投げたのは忍か。まぁそうか。太夫にそんな能力は無い。だが…長居は危険だからそろそろ撤退しよう。少し気になってたけど普通の太夫だ。



-ふっ…-



(随分と大きい鼠だったみたいだけど…上手くやり過ごせたか)



再び三味線を奏でようとする太夫の隣には未だ夢の中の忍。





※※※





風の国での仕事を終え、村に戻ってから数日が経った日の事だった。日に日に活発具合が増す弟妹が学校に行くのを見送り村人達の診療を終え仕事が休みだと言うミツさんの修行を見てるとリーダーからの通信が入る。



『ミツさんちょっと待って』

「?」



深呼吸をして意識を集中させる。



"大蛇丸が木ノ葉に戦争を仕掛けた"



風の国から戻る時、火の国を通ったけどそんな様子は無かったから本当にココ最近の出来事だろう。



"大蛇丸は音隠れと砂隠れの忍を使い戦争を仕掛けたが木ノ葉崩しには失敗したようだ。この戦争で三代目火影が死んだ。撤退した大蛇丸だが行方は分かっていない"

"あの野郎ざまぁねぇぜ!"

"誰かに調査に行ってもらいたい"

"………俺が行こう"

"ではお前達に任せる。九尾の人柱力の件も頼んだぞ"



そこで通信は切れる。
イタチさんが率先するのは珍しい…けど、まぁそうか。彼は別に故意で里抜けした訳では無いし残した弟の事が気掛かりだろうし。



「チヅ?」

『あぁ御免。何でもない』

「またそーやってすぐはぐらかす」

『………ミツさんに特別な術、教えてあげる』

「えっ!?マジ!?」

『使い所が無ければ良いんだけど』




















→to be continued.
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