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氷華血鎖【鳴門】

第21章 一部・休息


「こらトシ!テメェ本気でやりやがっ、た………な…」

「あ、ミツ兄…」

『見たら駄目よマツ』



マツにはまだ色々と早いものを見せない様に視界を手で覆って究極に冷めた目でミツさんを一瞥してると、おばさんがジャブジャブと湯船の中を歩きながらミツさんに詰め寄る。



「こんの馬鹿息子!!!アンタって子はぁ!!!」

「ちょ…待…話を聞いてくれおふく………ろぉぉお!?」



母親の強烈な往復ビンタを喰らうその様子に肩を竦めてマツの視界を遮ったまま湯を上がる。



「姉様?」

『逆上せちゃうからそろそろ上がろう』





※※※





秘湯から出れば入口のところには既にイタチさん達が居て何があったか聞く理由も無ければ記憶を見れば分かる事だし、どうせしょうもない事だから特に気にする事も無く帰路につく。
家に戻った後は弟妹を寝かせイタチさんと鬼鮫さんを客室で休ませてから明日の朝食の仕込みをし、その後は今日は栽培場の薬草の世話をしてない事を思い出して栽培場に足を運んで薬草の手入れをする。



『って言っても勝手に育ってくれるんだけどねぇ』

「そうなのか?」

『ぅおっ!?ってイタチさんか…』



結界の中は常に最適な気温と湿度を保たれてるし虫は付かないし本当は水なんかあげなくても勝手に成長してくれる類の薬草毒草。そりゃもう品種改良と遺伝子操作を重ねに重ね…って何でこの人はこんなところに居るんだ。



「睡眠障害は相変わらずか」

『障害って…その言い方やめて』

「ミツが心配していた」



心配、か…流石にずっと何も言わず弟妹を任せるのも、そろそろ潮時だろうか。村の皆は何も聞かない様にしてくれては居るけど…ずっと詳細を聞かないと不安にはなるよね。



『流石に腹違いの兄弟を殺そうとしてますーなんて言えないでしょ?』

「………」

『アイツ等の目的は今日の事でハッキリした』



アタシを狙っていると。ただ…殺すつもりだったとしたら殺気も殆ど無かったし戦闘だってもっと別のやり方があった様に思える。



『まぁ直ぐに居場所を突き止めて速攻始末するさ』

「チヅル…」




















→to be continued.
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