第1章 春のうさぎ
「次は、7丁目〜7丁目〜お下りの際は_____」
「さくらさん、降りますよ」
バスを降り、歩き出す
そしてしばらく歩くと目的のコンビニがみえる
店員の声が飛び交う
『えっと、王様プリン…王様プリン…』
「ここにありますよ」
一織が指をさして教えてくれた
どうやら見逃していたみたいだ
『4個買うとお得だって!…じゃあ、8個買おうかな。レジ行って来るから少し待ってて』
少し列を為したレジに並ぶ
この時間は学校帰りの学生が多いが、シフトの変わり目で人が少ないせいでいつも混み気味だ
数分後やっと購入でき、一織の元へ戻る
『ごめん!待ったよね』
「いえ、大丈夫です。行きましょうか」
寮へと向かって歩き出した
「さくらさん、持ちますよ」
プリン8個も重いから持ってあげるとの事だ
『大丈夫』
1度断わってみたものの彼はいつも聞かなくて
「かしてください。私がアイドルである前に女性に荷物を持たせられる訳ないでしょう?」
袋を私の手から奪い取っていった
正直プリン8個はかなり重くて、
ビニール袋が指にくい込んで少し痛くなっていたのを
見越してのことだろう
『ありがとう』
「別になんてことないですよ」
微笑みながら感謝を告げると
彼は口に手を当てて目を逸らした