第1章 春のうさぎ
「なっ……人がどういう思いでこれを伝えてると思っているんですか?!」
なんてことだ
あなたはそんなことも分からなくなったの?
『だから馬鹿だと言ってるの。私がそんなこと言われて受け入れない訳ない。実るか砕けるじゃないの、始めから。』
あなたが告げる前から答えは決まっているの
でも、分かる
こんなにも不安定な感情は初めてだ
『でも……夢じゃない、よね?』
「もちろん現実ですよ」
不安で確認したくなる
彼もそうだったのだろう
もちろん私も初めてだけど、彼が初々しくていつもより可愛いのは気のせいじゃないはずだ
『ねぇ一織』
「なんですか?」
『私ってさ……春のうさぎ?』
「春のうさっ……なんで知ってるんですか?」
『……ひみつ』
「……ええ。そうですよ。あなたが私の春のうさぎです」
『ところで、春のうさぎって何?』
知ってる
春のうさぎの意味なんて
ただ、彼の口から言わせたいだけだ
「知ってて質問してるのでしょう?!ただ言わせたいだけでしょう?!」
『私、生配信見てないからわからない』
しらばっくれて言ってみた
今を逃せば一生言ってもらえなさそうなのでもう少し粘る
「情報源特定してるんですから分からないはずがないでしょう?!……でも、あなたが最初で最後なので言ってあげますよ。」
「あなたが私の初恋です。
迎えに行くので待っていてくれますか、さくらさん」
『うん。早く迎えに来てよね、一織』
内心本当に銃なり雷なりに撃たれたような衝撃があった
それとも、破壊力っていうのか?
頭の中が放心状態だ