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キミのとなりで【気象系BL】

第3章 手紙


ーOsideー


裏庭に向かうニノを見送った。

行ってきますと笑ってくれたけど、その顔はどう見てもひきつってて顔色も悪くて。

翔くんが一緒だから大丈夫だと思っても、やっぱり心配になった。

ソワソワしてしまって帰ることもじっと待つことも出来ない。

今日はいつも早く帰る潤もなぜか一緒に教室に残っていて。

むだにウロウロして落ち着かない俺を面白そうに見ている。

「ちょっと落ち着いたら?翔が付いてったんだから大丈夫だって」

潤はニノたちが何しに行ったか知ってるんだ。
翔くんが話したのか、状況から推測したのかは分からないけど。

「わかってる!俺も大丈夫だって思ってるけど···」

けど!それでも!
やっぱり心配なもんは心配なんだよ。

相手に直接なにもされなくたって、目に見えない心の負担は絶対あるんだから。

過保護だと言われるかもだけど、どうしたってニノのことが大切で心配なんだから仕方ない。

変わらずソワソワしていたら

「そんなに心配なら俺たちも付いていこうぜ」
「は?」

潤がニヤリと笑っておかしな提案をしてきた。

「いや、ダメでしょ。ニノ1人に3人も付き添いっておかしいでしょ」
「だから、こっそり。ニノたちにも相手にもバレないようにさ」

潤はしれっとした顔をしていて。

「覗きじゃん!」
「言い方!見守りだって!」

どんな言い方したって覗きは覗きでしょ。
でも、その提案に心が揺れるのも事実なわけで。

「ここでただ待ってるより智も安心出来るだろ?」

急に優しく微笑まれて、つい素直に頷いてしまった。

もしかして俺のこと心配してくれてんのかな?

「よし決まり!ほら、さっさと行こうぜ」

潤は言葉通りさっさと席を立って教室を出ていこうとする。その顔はどこか楽しそうで。

やっぱり面白がってるだけか。

ま、いーや。
どうしたって気になるもんな。

よし、見守りに行くか。

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