第3章 手紙
ーOsideー
変わらず届くニノへの手紙。
ニノはもう慣れたなんて強がってるけど、やっぱりどこか元気がなくて。
ずっと気になってた。
そうしたら昼休み、2人になった途端にニノから相談があると言われて。
「呼び出された!?」
「うん」
今朝届いた手紙の中に、呼び出しのものがあったらしい。
あんなに翔くんとラブラブしてるのに、それでもニノに告白しようと思う根性あるやつがいるのか。
ちょっと感心してしまう。
「まさか行かないよね?」
「え?行くよ?」
「ええっ!?」
一応確認してみたら、ニノはあっさりと行くって言うから驚いた。
なんでわざわざ告白されに行くのさ。
怖い思いしたばっかなのに。
何とか思い止まらせようとしたけど、ニノは行くことを決めてしまっていて。
翔くんにも散々止められたみたいなのに何で?
天の邪鬼なとこがあるから行くなと言われると行きたくなるのか?
「本当に行くの?」
「行く」
「なんで?」
「だって···俺だって翔ちゃん好きだもん」
「はぁ?」
頬をピンクに染めて力強く宣言するニノはとても可愛いけども。
この流れでなんで翔くんの話になるんだ?
「ニノが翔くんを好きなのは知ってる。でも今関係なくない?」
ちょっと理解できなくてちゃんと説明してもらったら、どうやらニノは嫌がらせの延長の呼び出しだと思ってるらしい。
「翔ちゃんファンからの呼び出しならさ、逃げたら負けな気がするじゃん」
ニノは謎の闘争心に燃えていて。
いや、その闘争心はムダだと思うけど。
だって十中八九告白だろうからね。
「嫌がらせって決まったわけじゃないでしょ?違ったらどうするの」
「違ったらって告白とか?」
「そう」
なんだ、分かってるんじゃん。