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キミのとなりで【気象系BL】

第2章 友だち



「何かあったの?俺たちにも言えないこと?」

ニノは唇をギュッと引き結んで黙り込んでしまった。

しばらく迷う素振りをしていたけどやがて口を開いた。

「誰にも言わない?」
「絶対言わない」
「俺も」

ニノは俺たちの目をじっと見つめた後、人のいない廊下の端まで移動して。

もう一度周りに誰もいないことを確認してから、昨日の出来事をポツポツと話し始めた。

まさかニノがそんなひどい目にあっていたなんて思いもしてなくて、聞きながら血の気が引いて行く気がした。

ニノの顔色も悪い。

体も震えていた。

それだけ怖い思いをしたんだろう。

ニノは小さく息を吐くと、俺のことをじっと見た。

「俺でもそんなことがあったから、智も気を付けて。智可愛いから危ないかもしれない」

涙が出そうになった。

ニノは俺のために話してくれたんだ。

こんなこと話したくなかっただろうに。
思い出したくもないだろうに。

俺が同じ目に遭わないように···
怖い思いをしないように···

「ニノ···」

思わずニノを抱き締める。

昨日ニノの様子が違うことに、ちゃんと気付いて聞いてやれば良かった。

そうしたら一人で行かせなかったのに。

守ってやれたのに···

後悔が押し寄せる。

ごめん。
守ってやらなきゃって思ってたのに、何も出来なくて。

本当にごめん。

思わずニノを抱く腕に力がこもる。

そんな俺の背中をニノが優しく叩いた。

顔を覗きこんだら、ニコッと笑う。

「もうダメかと思ったらね、翔ちゃんが助けに来てくれたの」

ああ···そこで翔くんに繋がるのか。

すごく納得した。

良かった···そこに翔くんがいてくれて。

ニノのこと助けてくれて。

本当に良かった。


「偶然近くにいたみたいでね、すごいタイミングで現れたの···キラキラしてて本当に王子さまが来たのかと思った」

その時のことを思い出してるのかな

ニノの頬がピンクに染まる。

「俺、翔ちゃんのこと好きになっちゃったんだ」

ポツリと呟いたニノは本当に可愛かった。

 
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