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ハニー・アンダーカバー

第3章 ハニー・ナースコール②


結局、高杉が淫魔だという確信は得られないまま次の勤務日を迎えた七七七。

実際、淫魔だと確認する方法は、今までの方法であれば、七七七や他の人を襲っている現場をおさえることしかできない。彼らはセックスする時までは普通の人間と区別がつかないからだ。
まだ次の被害者が出ていないが、そろそろ被害があってもおかしくない頃合いではあった。

七七七は、今まで以上に高杉の行動に気をつけるが、怪しい行動は見られないままだった。

だが、そのチャンスは突然訪れる。
それは七七七が休憩中のことだった。

「麻倉さん。」
「はい?」
「実は麻倉さんにお話があって…」
「話…?」

ついに来たか、と身構える七七七。

「ええ…その…実は…」

しかし、身構えた七七七とは裏腹に、高杉は何かもじもじとした様子を見せる。

「この前のお詫びをしたくて…その…一緒にお食事でもどうですか…」

おずおずと高杉が言い出した内容は、七七七が想定していたものとはかけ離れており、少し拍子抜けしてしまう。

(食事…!?てっきり今からパパっと襲われちゃうのかと…。でも…これはもしかしてチャンス…?淫魔なら何かこだわりがあるタイプなのかも…)

淫魔の中には、性癖のこだわりが強いタイプがいる。前回の仕事での淫魔も、異常性癖者だった。

「あの…麻倉さん…?」
「あっ、ごめんなさい。食事ですね。」

高杉に話しかけられてやっと、七七七は考え込みすぎていた自分に気づいて、慌てて意識を戻す。

「ぜひ、喜んで。」
「ほんとですか?よかった!それじゃぁまた連絡しますね!」

高杉は、パァっと顔を輝かせると、部屋を出ていった。
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