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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第118章 番外2※




「は、早かったね・・・?」

この挙動と言葉では、何かよからぬ心配をさせてしまいそうだと気付いたのは、それらが出てしまった後で。

隠し事がある人間がこういう言動を取りがちだろうけど。
あながち間違いでもないかもしれない。

「ちょっと色々あってな」

そんな私の様子を気にすることもなく、彼は隣を通り過ぎて廊下を進んで行った。

「?」

その一瞬だった。
小さな違和感を感じたのは。

いつもと何かが違う。
そんな曖昧な違和感だったけれど。

どこか断片的に、確信のようなものも持っていて。

「・・・零、ちょっとジッとして」

少し先を進んだ彼を追い掛け、服を掴んで引き止めると即座にそう声を掛けた。

呼び掛けに彼は大人しく従ったが、やはり違和感はまだ続いていて。

それを抱えたまま彼の顔を覗き込み、額に手を当てて体温を確認した。

「熱は・・・無いみたいだけど、顔色悪いよ?」

彼の額についた私の手の平からは、いつも通りの体温の感覚しか伝わってこなかった。

ただ、笑顔を保つ彼の表情の奥に、隠しきれない疲れのようなものが感じられて。

ベッドで休んだ方が良い、と伝えてはみたけれど。

「大丈夫だ」

はぐらかすように、覆い隠すように。

そう言うなり彼は、額についていた私の手を優しく取ると、そのまま洗面所へと姿を消してしまった。

「・・・・・・」

閉められた扉を見つめながら、暫くその場に呆然と立ち尽くして。

やはり、どこかおかしい。
いつもであれば、どんなに疲れていても軽いキスをくれるはずなのに。

曖昧だった違和感は少しづつ確信へと流れて行き、いつの間にかそれは決定的なものになっていた。

「・・・零」

そうなれば私が取る行動は一つで。

彼が隠しているのは疲れだけなのか。
それを、確かめることだ。

その為に彼が中にいる洗面所への扉を数回ノックすると、そっと呼び掛けた。



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