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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第118章 番外2※




「・・・っ、待って・・・!」

彼の手が、ゆっくりと太ももを這ってくる。
くすぐったくも、もどかしい。

ハッキリとしない感覚に体は悶え、強ばる中で何かを必死に訴えていた。

ーーー

遡ること、十数分前。

「・・・ふう」

事務所での手伝いを終えると、深呼吸とも、ため息とも取れる空気を吐き出しながら、体をグッと反らしイスに体重を預けた。

座りっぱなしになっていた体を伸ばすと、いかに動いていなかったか分かるような音が体のあちこちから聞こえてきて。

「・・・・・・」

時計に目を向け、そろそろ18時が来ようかという時間を把握すれば、更に体から空気が漏れて。

今度は間違いなく、ため息と取れるものが。

もう、半月は零に会っていない。
更にあと1週間は、会えない予定だ。

それは珍しく事前に知らされていた。

毎日いつ戻れるか分からない彼だから、いない期間が最初から分かっているのは心の準備ができるはずなのだけど。

「・・・零」

私は、こっちの方が精神的に来るようだ。

分からないなら割り切れるのに。
分かっていると待ち遠しい。

それが思わず、彼の名前となって吐き出された。

この時間が・・・酷く長い。
そもそも、1週間後に会える確約はないのに。

今度からは期間を最初から聞かないでおこう、とイスから立ち上がり、コーヒーでも入れようとキッチンに向かいかけた時。

「!」

玄関から僅かに、物音が聞こえた気がして。

慌ててその方向へ走って向かうと、物音を立てた主は靴を脱ぎながら、私へといつもの優しい笑顔を向けた。

「ただいま」

願望が作り上げた幻覚か、はたまた現実か。
一瞬分からなくなり、目を見開いてその姿を目に映してみたけれど。

どう見ても目の前には、待ち焦がれた人、降谷零が立っていて。

「・・・どうした?」

呆然とする私に近付くと、クスッと笑いながら手を伸ばされて。

ふと頬に触れた彼の手の冷たさで、これは現実なのだとようやく確信ができた。




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