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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第117章 安室3





「・・・・・・」

偶然、だろうか。

ひなたさんの様子を見る限り、コナンくんに声を掛けられたのは、そう見えたが。

・・・もし、偶然ではなかったら。

そう考えると僅かに、背中に冷たいものが走るようだった。

彼女達は暫く会話を交わした後、院内の売店へと向かい、ひなたさんが花を購入したのを確認した。

誰かの見舞いだろうか。
コナンくん達が何も購入していないのを見ると、それは彼らの関係者に対するものだと仮定できるが。

「・・・・・・」

彼女のことだ。
もし見舞いを理由にここへ来るのであれば、事前に花は用意しているだろう。

つまりは、彼女がここに見舞いに来ることは全くの偶然ということになる。

・・・だからと言って、あの少年と出会ったのが偶然とは、確定しにくいことだが。

その後、彼女達はとある病室へと姿を消した。
名前を見れば、そこが蘭さんの母親である、妃英理弁護士の入院部屋だということは、すぐに分かった。

コナンくんがここにいたことについては、偶然である線が濃厚だが・・・多少探ってみる価値はあるだろう。

まだ彼女達が部屋から出る様子がないことを確認すると、ここに来た理由作りを始めて。

「すみません、ありがとうございました」

念の為、楠田を探しているという人という印象を数名の看護師につけながら内情も探ってはみたが、中々それらしい情報は得られなかった。

相手も国を守る立場故に、ガードが硬いことは分かっていた。
・・・やり方は、気に食わないが。

「・・・!」

廊下を歩きながら今後のことを考えていると、その先に妃弁護士の病室から出てきている彼女達を見つけて。

毛利弁護士と蘭さん・・・そして、コナンくんの傍にしゃがみこみ、険しい表情で話をするひなたさんの姿。

彼女の原動力は何なのだろうか。
そんな素朴な疑問すら産まれてくる。

仕掛けた人間が言えた立場ではないのかもしれないが。

「あれ、毛利先生じゃありませんか」
「・・・!!」

僕の呼び掛けに対し、彼女とコナンくんは酷く驚き、焦りを滲ませた表情で振り返った。

やはり、僕に聞かれたくない話をしていたのは、間違いがないようだ。



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