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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第117章 安室3




「・・・・・・」

杯戸中央病院の駐車場に着く少し前。
風見から、彼女がどこかに向かったという報告を受けた。

それはこちらも把握済みではある。
どこに向かったのかも、検討はついている。

ただ問題というべきか、彼女が僕に何の連絡もないということに、苛立ちに似た感情を沸かせてしまっていた。

結局、伊豆高原から帰った後の報告もないままだ。
報告ができない状況だった可能性もあるが。

・・・単純に、報告を怠っているのだろうか。
それとも、意図的に報告をしないのか。

後者の可能性が高いこの状況で、苛立つ理由なんて持つだけ無意味なのに。

寧ろ、僕への警戒心を持っているが故の行動であれば、喜ばしいことだろうが。

この晴れない気持ちの正体は一体何なのか。

「・・・!」

病院の出入口付近で彼女の到着を待っていると、一台のタクシーが停まって。

そこから降りてくる彼女を確認すると、その旨を部下達に連絡を入れた。

楠田の件については、組織の連中も動きを見せるかもしれない。

そうなった時、公安として鉢合わせては面倒だ。
事情は伏せたまま、風見達には動かないように指示をした。

「・・・まさか本当に向かうとはな」

あの資料を彼女に見せれば、何かアクションを起こすと思ってはいたが。

本当に乗り込んでくるとは。
それも一人で、こんなにもすぐ。

・・・今までのものも含めて、少しでも怖がってくれれば、その方がありがたかったのに。

「・・・・・・」

いや、違うな。
それが本心なのは違いないが、来てくれとも願っていた。

そうすれば彼女は・・・。

「・・・・・・」

そんなことを考えながら、出入口前で右往左往する彼女に目を向けた。

あの資料に目を通すなり、彼女はすぐにここへ向かってきたけれど。
やはり、何から手をつけて良いのか分からないのか。

ただ、まだ彼女に声を掛けるには早過ぎる。
ここで引き返す可能性もある。

寧ろそうであってくれと願っていると、ふと誰かを見つけた様子の表情を見せた。

その視線を追えば、そこには蘭さんに手を引かれるコナンくんの姿があった。




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