• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第116章 安室2※




「でも、大丈夫なんですか?体調を崩されたって聞きましたけど」

蘭さんの元へと行けば、そんな事を問われた。

この1週間程、ポアロの休暇の言い訳はそういう事にしていた。

「ちょっと夏風邪を引いただけですよ。週明けにはポアロのバイトにも復帰しますし」

彼女は暫く休むようだが、僕にはそれ以外にもやらなければならない事がある。

その為、まだポアロを離れる訳にはいかなかった。

「では、練習を始めましょうか」

何気なく、コートに立つために移動したのだが。
彼女の警戒心は高まったのか、僕に背を向けて身を縮めた。

・・・これは中々に、精神的にくる。

「ボール危ないから下がっててね」

ラケットを握る手に力が入る中、蘭さんはコナンくんにそう声を掛けるが。

彼の表情もまた、彼女同様に強ばっていて。

それを確認したその瞬間。
視界の端に映った物に僕の顔も強ばった。

「いや・・・、危ないのはボールじゃなくて・・・!」
「危ない!!」

コナンくんが何かを言いかける中、急いで声を掛けたけれど。

残念ながら間に合うことはなく、飛んできたラケットが彼の頭を直撃した。

「・・・いっ・・・!!」
「コナンくん・・・!?」

その一部始終を見ていたひなたさんは、頭を抱え蹲るコナンくんの傍にしゃがみ込み、声をかけた。

「触らないでください!」

そして、彼女が伸ばしかけた手を止める為に、つい強く叫んでしまった。

「下がっていてください。あと、この近くに救護室があったはずです。そこから誰か呼んできてください」
「私、行ってきます・・・!」

・・・冷静に動け。
そう自分に言い聞かせ、周りの人達へ指示をした。

「・・・・・・」

傷はあるが、深くはない。
嘔吐の様子も今のところはない。

ただ、意識を飛ばしているようだ。

安静にしつつ、彼の様子を確認していると、救護室から人を連れた彼女が戻ってきて。

その後ラケットをぶつけた人が現れ、別荘が近くにあるとのことだった為、一旦コナンくんをそこへ運ぶ事となった。




/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp