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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第116章 安室2※




彼女は思っていたより、早く事務所にやってきた。

そして、隠していた資料の中から、赤井秀一や宮野志保の情報を搾取していったようだった。

・・・やはり、彼女はあのミステリートレインでの一連の出来事を知っているようだ。

ということは。
やはり・・・彼女は。

僕の正体の一部についても、知っている可能性がある。

僕がバーボンだと、気付いていると思った方が良いかもしれない。

だとすると、沖矢昴はある種こちら側の人間だと言えた。
・・・だからと言って、彼女を傍に置く理由を作らせはしないが。

ただ、僕がバーボンだとバレてしまっていた場合・・・僕が彼女を守ることはかなり厳しいと思える。

それでも彼女の傍に居たいと思うのは、エゴなのだろうな。

ーーー

次に彼女に会ったのは、1週間後のことだった。
毛利探偵に誘われた伊豆高原で、奇跡的とも言える再会をした。

・・・と、言うのは少し大袈裟ではあるが。

工藤邸に住む沖矢昴の元にいることは、調べがついていた。
けれど、伊豆高原で出会ったのは本当に偶然で。

こちらも、驚かずにはいられなかった。

「おや、貴女も来ていたんですね」

テニスコートで、彼女に背後から声を掛けた。

平静を装ってはいたけれど。
内心、かなり動揺していた。

隣にいる小さな探偵の警戒具合からしても、僕への探りは大きく進んでいるようだ。

・・・それならそれで、多少諦めもつく。

「と、透・・・さん」

ゆっくりと振り向く彼女の顔も、どこか青ざめていて。

・・・やはり、彼女に嘘はつけないようだ。

「メールにも返事をしてくれませんし、ポアロも休んでいるようですから、心配していたんですよ」

であれば、僕が彼女にできることは一つ。

「僕に心配かけたこと・・・覚悟してくださいね」

安室透の仮面をつけた、バーボンとして彼女に接する。

それをチラつかせるように、彼女の耳元に口を近付け囁くようにそう言った。

その後は彼女に近付かないように、蘭さん達の方へと向かって、それとなく様子を伺った。




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