• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第116章 安室2※




その瞬間、彼女の顎に手を添えると、そのまま唇を触れ合わせた。

「・・・っん・・・!」

不意にしたせいか、彼女の口元の抵抗は無く、容易に舌が彼女の中へと入っていった。

そもそも、そんな気すら無かったかのように、彼女のそれはされるがままだった。

沖矢昴への見せつけ、というのは間違いがない。
どこか苛立ちそのままに、してしまったことも否めない。

「ん、ぅ・・・っ、とお・・・っん!」

時々、名前を呼ぼうとする彼女だったが、その隙間もすぐに塞ぎ込んで飲み込ませた。

・・・今、こんな状況で呼ばれれば、理性が完全に吹き飛んでしまいそうだったから。

「・・・っ・・・はぁ・・・!」

キスをする隙だらけの時間、沖矢昴は何も仕掛けてこなかった。

彼女をようやく解き放った瞬間、一気に空気を取り込む姿に、愛おしさと欲望が湧き上がった。

「ごちそうさまです」

あくまでも笑顔で余裕を見せたけれど。
内心、気が気ではなかった。

それを悟られまいと、彼女にちょっとした挑発的な仕草をすれば、動揺した様子で視線を逸らした。

「あの・・・、お別れの挨拶が済んだようならよろしいでしょうか」
「ええ、すみません」

沖矢昴に視線を向け、挑発的な声色で形だけの謝罪の言葉を告げた。

「では、ひなたさん。良い旅を」

・・・後ろ髪を引かれるどころではない。
本当はこのまま傍にいておきたいのに。

そうできると思ったのに。
ここはあまりにも密室過ぎる。

「・・・あの男にはあまり近付かないように」

ここには毛利探偵も、小さな名探偵もいる。
頼りになる人物は他にもいるんだ、と自分に言い聞かせるようにして。

彼女の横を過ぎ去る瞬間、小さく彼女にだけ聞こえる声で、そう囁いた。




/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp