• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第116章 安室2※




「おや、別々で来ていたんですか?それなら貴女の部屋は、恐らく僕の隣の部屋だと思いますよ。貴女に似た人が出るのを見たので、まさかとは思っていたんですが」

・・・長々と、よく喋る男だ。

彼女を連れ出すのには、それなりの理由があるのだろうが・・・この男の素性を知れない今、その理由の憶測すらできない。

「・・・そう言って、彼女を部屋に連れ込もうという魂胆か」
「とんでもない、人の物に手を出す趣味はありませんよ」

その上、彼女を物扱いか。
やはりこの男、いけ好かない。

けれどここで笑顔を崩してはいけない。
それだけは、安室透としてはやってはいけないことだ。

あくまでも、会話は笑顔で。
けれど脳内は焼けついてしまいそうな程、怒りで熱くなっていた。

「・・・!」

そんな時、突然胸ポケットにしまっていたスマホが、バイブ音を響かせて。

それがベルモットによるものだということは、すぐに分かった。

致し方なく、沖矢昴から目を離さないままスマホを取り出すと、数秒スマホへと視線を移した。

・・・そろそろ、こちらも動き始めなければならないようだ。

メールの文面を確認し、小さくため息を吐くとスマホを胸ポケットにしまい直して。

「・・・不本意ではありますが、彼女の部屋を知っているようなら案内をお願いします」

急遽、ベルモットとコンタクトを取ることになってしまった。

このまま彼女についていれば、ベルモットに見つかる可能性がある。

「ええ、分かりました」

この男と部屋は同じ・・・もしくは、言葉通り2部屋取っているのかもしれないが、いないよりはマシだろう。

彼女とベルモットを、1対1で合わせる訳にはいかない。

不本意過ぎることではあるが・・・と、彼女に向き合うと、耳元にそっと顔を近付けた。

「・・・似合ってますよ、そのワンピース」

あの男といても、少しは僕のことを考えてくれるように。

囁くように、僕を擦り込むように。

視線だけを僕に向ける彼女に、こちらも視線を絡ませた。



/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp