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ONE PIECE トラファルガーらぶ♡

第5章 酔い痺れる恋心






思わず唇に手を触れる。

(わたし、ローと…)

「ご、ごめんね」

「いや、別に構わねぇ」

なにしろ、キスをしたのは自分なのだから。

触れたかった相手に触れられて、不快になんて思ったりはしなかった。

ルルアの唇を見ると名残惜しいとさえおもう。

「そ、そう…」

さっき事故みたいなものとはいえ、自分たちはキスをしたのだというのに、平静なローに胸が痛む。

(きっと、ローは慣れているんだろうな…)

経験豊富で。

キスのひとつなんて気にしていないのだろう。

初めて会った日を思い出す。

決して、いい印象ではなかったローを。

そういえば、ダイアナという女の人と彼はセフレのような関係だったはずだ。

嘘とはいえ、妊娠したというダイアナにローはしらねぇ。というひとことだけで終わらせた。

海賊なのだ。
それが大人の世界の常識なのかもしれない。

わたしとは、違う。

厚い壁を感じたルルアは思わず俯く。



(好き…)

最低でも、恋に落ちたのはわたしの方。

運命を感じたのもわたしの方。

こんな状況も作ったのもわたしの方。

大人の世界を知らない子供には、ローとダイアナのような関係はとても理解できるものじゃなかった。

どんな鋭いナイフよりも、ルルアの心はローの態度の方が心に刺さる。

好きだけど、住む世界が違っている。

諦めなければならない恋にルルアは背を向ける。

「……おやすみ」

それだけ言い残し、ルルアは食堂をでた。

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