第1章 幕開け
『生まれ変わっても、わたしのこと好きでいてね』
目の前の優しい瞳をした愛おしい彼に言う。
彼が微笑んだのがわかった。
みんなにはこの彼の笑顔がわからないみたいだけど、わたしにはわかる。
彼のことはわたしが1番知っている。
『あァ…ルルア、また』
(えぇ、また逢おうね)
必ず…
生まれ変わって、またあなたに会いに行くわ。
そしたら。
そしたらまた…
『また、わたしを愛すること。わかってるわよね…?』
『ククッ…愛してやるよ』
彼の顔をみる。
目を少し細めて優しい瞳で微笑んでいる。
口角がいつもよりもだいぶ上がっている。
それだけで十分伝わった。