第2章 出会い
雪に見とれて、空を見ていると、肩が誰かにぶつかった。
暗闇でよく見えなかったのだろう。
ぶつかった相手は見えなかったもののその相手の声が聞こえる。
「あ、すいません〜」
その声は女の人の声だった。
きっと、背伸びているわたしよりも年上の女の人なのだろう。
「あ、いえ…わたしこそすいません」
「あら、女の人だったの。よければ、一杯どう…?」
(は…?)
思わず目をパチクリさせる。
相手にルルアの表情は見えないものの、この人常識あるのかしら。と思ってしまう。
今はかなりいい時間だろう。
多分、1時くらいだろうか。
そんな時間から女性に飲もうだなんて誘ってくる女に驚きを見せたルルアだが、断る理由もなく、誘いを受ける。
「あ、えぇ…ぜひ」
「きゃあ嬉しい!色々聞いてもらいたい気分だったのよ〜」
急に腕を掴まれ、女は歩き出した。
「ちょ、どこ行くんですか?」
「何?敬語はやめてちょうだいよ。ちょっと知り合いのところに行くの」
「し、知り合い…とは」
2人で飲むんじゃないの…。
変なことを言い出した女には、ますます驚く。
(この人、多分話の通じないタイプの人だ…)
「ふふっ嘘よ。うそ!実はね、お願いがあるんだけど、いい?」
店の前に来たもので、女の人の顔が光に照らされて、初めて見えた。
背が高く、胸下の開いたワンピースを着ていて、大きな胸がはみ出していて、茶色い短い髪に、目元にホクロがあるとても色気のある女の人だった。
「あら、あなたとても可愛い顔してるのね。アタリひいちゃった」
そういい、舌を出す女の人は可愛くて、女のルルアさえドキッとしてしまう。
「まあ、嘘ではないかなぁ…。実際知り合いのところに行くからね?」
「は、はぁ…」
(この人、なんか変わってる人だ…)
「あたしの知り合いの男の人に会いに行くんだけどね?その人に嘘ついて欲しいの…」
(……………)
なんというお願いだろうか。
こんなことを、初めて会う人に頼むようなことではないだろう…。
「嘘とは…」
「妊娠しちゃったから責任とってって言って欲しい」
は?
いや、それは…
「なんですかそれ…」
「も〜!あなた可愛い顔してそんな声のトーンで言わないでくれる?ちょっとショックよ?」
「い、いや…」