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幸運と悪魔を宿すグリモワールを持つ少年たちの妹ちゃん

第4章 魔法騎士団の試験


「いやーごめんごめん…」

「あ? 殺すぞ小僧」

私はその人のガラの悪さに固まってしまった。目付きやば!?首ふっと!?貫禄やっば!?私が呆然としてると、アスタは

「こっわぁぁぁ!?!?」

と叫んでいた。そんなこと言ってる場合!?そして、アスタは何を思っのかさらに一言。

「いやぁーお前すんごいフケ顔だな……」
「バカぁぁぁぁーーー!!!」

スッパーン!!っと頭を叩き、私は彼の頭を思いっきり地面すれすれまで押し下げた。

「すみませんでしたぁぁ!!」

やばい……やばい!!この人、絶対百単位で人殺してるよ!?!?ちらりと見れば、男性はフッと煙草をひとつはいていた。その様子はおだやかで、別段怒っていなさそう。私はホッとし、アスタの頭から手を離した…その瞬間……

「死ぬ準備はいいようだな…………!!!!」

男性がアスタの顔を片手で掴み、そして持ち上げたのだ。

「ひぃっ!?」

ミ…ミシミシいっている!?アスタの頭がミシミシいってる!?

「ごめんなさいぃ! この馬鹿…本当に馬鹿なんです!! 許してください!!!!!!」

「イテテテ!? 頭も腕もどっちも痛てぇぇ!!!!」

「あ?」

アスタの腕を何度も何度も叩き、私は涙目にりながら訴えた。ギロりとした視線がこちらに向いた時、

「あ、いたいたヤミさんー! こんなところで何してんすか……うおっ!? ヤミさんが美女を泣かせてる!?!?」

これまた別の青年が現れ、私はそちらを見た。この男性の知り合いなら、なんとかして欲しい!しかし…

「こんにちは!君めっっちゃめちゃ可愛いね!」

頼りにならない。私はそう判断し、彼をガン無視することに決めた。どうにかしてアスタの馬鹿を離してもらえないだろうか…!

「受験生かな? それなら是非、黒の暴牛へ……」

「……………妹に何か?」

と、ここでユノ兄が登場。私はもうすでに泣く寸前だった。もう魔法を使うしかない…そう思っていた頃だった。

「ユッ…ユノ兄ぃ」

ユノ兄は何しているんだという呆れた視線を向けていたが、いざと言う時に頼りになる。

「ユノ兄!? アスタの馬鹿が殺されちゃう!!助けてあげてぇぇ!!」

「なんで俺がユノに助けてもらわなくちゃならねぇんだ!!!!」

んなこと言ってる場合かぁぁ!!!私は思いっきり、アスタの馬鹿野郎の鳩尾をなぐったのだった。
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