• テキストサイズ

幸運と悪魔を宿すグリモワールを持つ少年たちの妹ちゃん

第4章 魔法騎士団の試験


細い見た目では想像出来ないほどしっかりした体に抱きつき、私は久しぶりの兄にほっとする。そして、私達は会場の中へと足を踏み入れ、この半年間のことを報告し合った。

「………そうか。お前が楽しかったならよかった。何もされてないか?」

「うん!あの家の人達は、当主様以外の人はは近寄ってすら来なかったし!」

「…そうか」

とまぁ、こんな話をしていると、やけに鳥が多いということに気づいた。

「ユノ兄、なんでこんなに鳥が多いの?」

しかも、人馴れしているように見えて、何故かこっちには寄ってこないし。

「…あれはアンチドリ。魔力の低い者に寄ってくる…らしい」

「ふーん。じゃあ、ユノ兄がいるからこっち来ないのか」

見た目がちょっと可愛い分、残念だと思っていると、大きな声が会場をこだました。

「ユノ!俺の修行の半年間、見せてやるからな…いだだだだだ!?!?」

そこには、たくさんのアンチドリにつつかれているアスタの姿があった。

「あ!! クレア!!お前、早く帰って来いって言ったろ!何だこの鳥!?」

アスタがこちらへ来て、私の頭を軽く小突いた。間近で見たアンチドリは少し可愛く、そっと触れようとすると、バサバサと逃げてしまった。少ししょんぼり。

「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?なんだこの鳥共!!!!」

アスタは鳥を追い出そうと、前も見ずに走り回る。

「私もすぐ帰れると思ってたんだけど……あっ!? アスタ前!!」

「うおっ!?」
/ 23ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp