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【BLEACH】Breath In Me【原作沿い女主】

第2章 A girl




 不運、と言えばそれまでかも知れない。


 視える・聴こえる・触れる・喋れる・憑かれる……と、ご丁寧に5拍子揃った超A級霊媒体質のおかげで、虚とかいう化けモンに家族諸共狙われ、この女死神に命を救われた。そして、俺に死神の力を譲渡したせいで元いた世界に帰れなくなったこいつの代わりに、俺が「死神代行」として仕事を手伝ってやっている、と言うわけだ。


 まったく、霊を呼び寄せる力はあっても面倒事を呼び寄せる力はなかったはずだが……いや、もう良い。今更どんな文句を垂れたって、起こっていることが変わるわけじゃねえんだ。


 それに、だいぶ死神の仕事にも慣れてきた今では、最初は不運としか思えなかったこの境遇に、ちっとばかし感謝してる面もある。


 何と言っても、死神の姿なら、霊力の高い俺を狙ってやってくる虚たちから、家族を守ることができるんだから。


「む」


 放課後。グラウンドでは、部活の準備をする生徒たちが忙しそうに動き回っている。ほとんど人気のなくなった教室で帰り支度をしていると、傍にいたルキアが唐突に呻いた。


「反応があったぞ、一護。2丁目のあたりだ」
「はいはいーっと」


 虚の出現頻度というのは、本当に間断がない。一日中虚の反応がなかった、なんてのはかなり稀で、平均で言うと一日1、2体、多いときには4、5体倒すなんて言うのもザラだ。まあ日本だけでも一日三千人以上が死んでるわけだから、別段おかしくない数だ。魂を導く死神なんていう役職があるのも頷ける。


 でも、どういうわけかここ最近、その虚の出現頻度が下がってきているようにも思える。一週間くらい前から三日前までは一日1体、昨日に至っては一度も虚の反応が出ていない。


 ――気にしすぎか……。

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