【BLEACH】Breath In Me【原作沿い女主】
第2章 A girl
「お! おっはよう一護!」
「おーっす」
「昨日はありがとな。まぁた夕飯ごちそうになっちゃってさ!」
人なつこい笑みを浮かべた伊吹が、机をがたがたとかき分けて俺の席の方にやってくる。
「ああ、気にすんな気にすんな。お前が来ると遊子も夏梨も喜ぶし」
「そう? じゃあまたお邪魔しちゃおっかな~」
伊吹は両親がおらず、遠い親戚と一緒にアパートに住んでいる。その親戚の主な仕事が、まあいわゆる夜のお仕事だもんで、ご相伴に預かろうとしばしば俺の家に上がり込んでくるというわけだ。オヤジは伊吹のさっぱりした性格を気に入ってるし、遊子も夏梨もよく懐いているので、特に断る理由もない。
「なぁに? 伊吹、また一護ん家で飯くったの?」
と突然、ひょこ、と伊吹の肩から手が伸びてきて、伊吹に寄りかかりながらいつきが顔を出した。
「あっやしいな~。あんたら、もしかして付き合ってんじゃないの?」
「あっはは、まさか! 一護とか私のタイプから外れすぎて、たわしどころかスタジオのセットに名前すら残せないよ」
「……東京フレンドパークかよ」
からからと笑う伊吹に、俺はため息混じりに突っ込みを入れる。心配しなくとも伊吹の好みが俺のような人間じゃないことは知っているし、俺だって伊吹みたいな女はタイプじゃない。……女のタイプとか、あんまり気にしたことはないが。
「ま、そういうことだから心配要らないぞ! 織姫!」
「え!? な、何で私!?」
いつきの傍にいた井上が、いきなり伊吹に肩を叩かれ驚いている。つか、何だよ伊吹のヤツ。思いっきりにやつきやがって……まあ、あいつがへらへらしてんのはいつものことだけど。