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ドリルの元鞘(R18)

第7章 挿・入


 ひとしきり、舌を深く絡ませた。
 お互いの体は熱く濡れている。
 ふたりは、目くばせをする。

 ――。 

 ボラーが座っていて。
 [元カノの名前]は膝立ちから、ゆっくりと体を預けていった。
 ひとつに繋がってゆく。

 止まる呼吸。
 感情の昂りによって、体としての気持ちよさは数倍にも数十倍にも膨れあがっていった。
 根元まで沈む。ふたりの顔が近くなる。
 いつまで見つめあっていても飽き足らないけれど、体は動いてしまおうとする。もう少しこのままで、と深く長いキスをした。ボラーの肩へ置いた指に力が入りそう。

 唇が離れると、甘い吐息が洩れた。
 [元カノの名前]の腰へ腕を回し、ボラーの首へ腕を回す。
 そして、優しく動きだす。
 じわりとした快さがお腹と頭に広がり、もっともっと欲しくなる。
「……重くない? 大丈夫?」
 彼の返事は軽いキスと笑顔。
 見つめあっていると、愛しさが溢れそうになり、ふたりの欲求は止まらなくなる。
 いい。良い。好い。
 頬が緩んでいるのを見ると、きっと自分も、そうなのだと。
 呼吸のリズムが崩れる。
 ボラーが眉間に皺を寄せたので、[元カノの名前]は微笑みが隠せず、動くのを止め、
「やばい?」と訊いてみる。
「うん……やばいわ」と照れる顔。
 虐めてみたい気持ちから、敢えて動こうとする。けれど彼は制止する。小柄でも、男の膂力。
 そのままハグ。
 落ちつく。

 ボラーの香り。
 つい、嗅いでしまう。
 こっそりとさりげなく肺を満たす。
 脳が溶けそうになる。

 彼の腕に力が込められる。
 徐々に[元カノの名前]は寝かせられ、ボラーが覆いかぶさる体勢へ。
 顔にかかる髪を、丁寧に除けてくれる指。
 なんとなくボラーの頬に手を添えると、顔と顔とが近づいて唇が触れあった。
 そして離れない。
 そのまま彼が突きはじめる。
 貪る。
 貪るように熱く強く。
 それは押しよせる波、感覚。

 体中に巡る快感を持てあまし、腰はよじり、顔はそむけ、手はシーツをつかむ。
 一瞬、気が遠くなりそうで怖くなり、彼の腕へ手を伸ばす。けれど。

 両腕をベッドに押さえつけられる。
 悪戯っぽく微笑むボラー。獣。
 体の芯がびりびりと痺れて、なにも考えられない。

 反復する衝撃。
「[元カノの綽名]」
 ぎゅ、と狭くなる。
「[元カノの綽名]」
 意識が――。
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