第2章 Who are you
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『わたしを選んだら不幸になるとしても』
いつも輝いている美しい瞳はなんの輝きもなく、ただただ吸い込まれそうな。
それこそ吸い込まれたら2度とひなが戻ってこないような。
そんな瞳をしていて、彼女はじっとローの方を見つめる。
『それでも、ローはわたしを、選んでくれ、る…?』
その声は弱々しく、今でも鮮明に覚えている。
記憶の中の彼女を俺が抱きしめた。
だが、その温もりなんていらない。とでもいうように、スルッと彼女は避けた。
『…信じてないから。』
なぁ、お前今どんな顔してるか知ってるか?
顔を真っ赤にした愛おしい彼女の背中はどこか幸せそうに見えた。
「ククッ…まじかよ」
記憶をなくしても、あの出来事をたとえ彼女は覚えていなくても。
彼女の態度は変わらなかった。
やはり、ひなはひなだった。
そのことをローは嬉しく思いククッ笑みをこぼした。
『へっ、?』
俺の好き。と言う言葉に顔を真っ赤にさせたひなの顔を思い出す。
あんな顔されたらどうしても期待してしまう自分がいる。
「覚えとけよ…」
お前が覚えていなくても、必ず奪ってやるから。