第4章 大都会暗号マップ事件
朝のニュース番組を見ていると、思わず目を止める。
テレビのリモコンを持ちながら、不自然な体制で固まった恵理香を不思議そうに見つめるレイ。
画面の向こうでは、ニュースキャスターが重々しく口を開く。
「昨夜未明、東京都米花区米花町にて、謎の死傷者が発見されました……」
「ああそういやあ、最近多いな」
その言葉に恵理香はレイに顔を向ける。
「どういうこと!」
ニュースキャスターは続ける。
「被害者は22才の男性。体はばらばらにされておりまるで、虎やライオンに喰われたあとがあるようです」
「そのニュースキャスターの言う通りだ。俺もよくわからん」
「……っ」
「これで死亡が確認されたのは2人目だな」
「はあ?こんなの知らない!」
「……そうか」
恵理香の鋭く叫ぶ声にレイは冷静に返答した。
そして恵理香は瞬時に考え始める。
「虎やライオンに喰い荒らされた?いや違う。
もしも虎やライオンならニュースで報道されるはずだ。ならば何故)
「この世界には人を喰う化け物がいる」
「はあ?何それ」
「はあ……お前も出くわせばわかるさ。その化け物の恐ろしさをな」
恵理香は困惑げに眉を寄せる。