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名探偵コナン(光を抱いて)

第3章 小さくなった名探偵


散歩がてらこの町内の地図を頭の中に入れる。
と言っても今は夜で人通りも少なくこの辺の道を覚えれるか不安だが、何か起きた時のために今やれることをやらなければ。
前方から人影が見えて目を凝らすと蘭とコナンが手を繋いで歩いていた。
私に気づいた蘭が目の前で立ち止まる。
コナンは顔が赤い。それは手を繋いでいるからではないだろう。
鼻で笑いそうになるのを耐え笑顔を作る。

「こんばんは蘭さん。ってその子は?」
「天月さんこんばんは、この子は知り合いの親戚の子で。コナンくん自己紹介は?」
「ボ、ボク江戸川子なんです。お姉さんのお名前は?」
「……相良天月です。よろしくね。えっとー?」
「コナンです」
「あ、そうそうコナンくん」
「天月さんはお家ここら辺なんですか?」
「はい」
「そうなんですか」
「お姉さん仕事帰りなの? だってこんな時間に歩いているから」

蘭に向けていた顔をコナンに向け話す。

「違うよ。散歩してたんだ。私、知り合いの人にお世話になってて、この辺のことよくわからないから散歩がてら確認してたんだよ」
「お姉さんはどこ出身なの?」
「名古屋」
「そうなんですか?」

蘭の顔を見て頷く。

「天月さん、よかったらごはん食べにきませんか? わたし腕に縒りをかけて作りますので」
「???」
「わあい、ボクもお姉さんと食べたいなあ」

少しぎこちなく話すこなんはまだ子供の姿に慣れていない様子だ。

「すみません。カレー作ってあるので今日は……」
「そんな謝らないでください。それならまた今度にでも」
「はい。お願いします」

蘭達と別れた後笑みから無表情に戻す。
路地を曲がって行くと神社に辿り着いた。どうやら隣町まで歩いてしまったらしい。もうそろそろ帰ろうと後ろを向いた時、鳥井の下に誰か立っているのを見た。
その人を見るとどこか見覚えがある。
この作品で見たのだろうか、だとしても全く思い出せない。重要キャラじゃないのだろうか、だとしたらどんな人だったか思い出せないのも無理もない。
私は神社に背を向け元来た道を戻って行った。

「……あれ、ここどこ」

どう歩いても工藤亭のある住宅街に辿り着けない。完全なる迷子である。冷や汗が止まらない。

「嘘、マジで? マジか!」

屋根の上を見上げ呟いた。

「やるしかないかあ」

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