第5章 裏切りの代償 ⚠
数万人に一人しかあわないといわれる、HLA型
ローと主人公のHLA型が一致した、奇跡のような話から、3週間
着々と準備が進められた
主人公は約束通り、グリーンピースも残さず食べ基準値の体重を見事にクリアした
そして、いよいよ明日からローは移植の為に前処置の期間に入る
しばらくはベッドでの生活が余儀なくされ、更に移植後数週間は、抵抗力が極端に落ちる為しばらくは無菌室で過ごさないといけない
だから治るまで外に出られるのは、今夜が最後だった
夜も更け、辺りがすっかり暗闇に包まれた時間帯
主人公はローの部屋をノックした
「ロー、起きてる?」
「主人公?どうした?」
「眠れなくて、、、ちょっとだけ散歩しない?」
「いいな。」
ローも主人公もしばらく外に出ていない
感染や怪我など万が一を避けるためだった
隣ではすでにコラソンが高いびきをかいている
同じく眠れずにいたローは、そっとベッドを抜け出した
二人で湖のほとりを歩く
夜の空気が澄んでいて気持ちが良い
今夜はほぼ満月で、ランプなどなくても充分に足元が明るい
湖に映った湖月が、少しだけ風があるのか水面でユラユラと幻想的に揺れていた
湖の端に2人は腰掛けた
「あっ!毛布持ってきたの。使って。」
島の気候が暖かいとはいえ夜は浜風が吹き、歩いていたらさほど感じはしないが、立ち止まってしまうと確かに少し肌寒い
「風邪、ひいたら大変だから。」
主人公が、ローの肩から大きめの毛布を覆い被せた
毛布ももちろん暖かいのだが、主人公の気遣いが温かい
「お前もだろ。一緒に使おうぜ」
片方の毛布を上げて隙間を作ってやると、主人公はしばし考えてから、モゾモゾと毛布に包まりローの横に収まった
確かに、ドナーである自分が風邪をひいてしまったら元も子もない
どうしても密着するような体勢になってしまうのが恥ずかしかったが、ローとくっついている側がとても温かかった