第10章 罪の対価 ⚠
奴隷には、何も選ぶ権利なんてないという意味だろう
それとも、償う事も放棄して、安易な逃げ道なんて許さないという意味だろうか
どちらにしろ、憎まれているのは変わりない、、、
お前にできる事なんて、せいぜい従順に足を開く事しか有りはしないのだと、突きつけられた気持ちになり、また涙が零れた
優しかった彼を、こんな風に変えてしまったのは私だ
彼を責めることなんて、できる筈がない
ローは主人公を抱く時、残酷な迄の【命令】を投げつけながら、どこか苦しそうな顔をするのだ
きっと憎むべき相手を苦しめる為に、自分も傷つきながらも主人公を抱いてるのだろう
誰の為にもならない、歪で不毛な関係
昔とは、何もかもが変わってしまった
あの日に帰れたら、、、、と主人公は思った
もしもあの日、主人公がローに真実を話せていたなら、、、、
もしも、コラソンや母に助けを求めていたなら、、、
二人には全く違う未来があったのだろうか
二人で無邪気に笑い合っていた、宝物のような日々が頭を過る
『主人公、、、』
記憶の中の幼いローが、優しい声で主人公の名を呼んだ気がした
涙は止まることなく溢れ続け、遂に主人公は顔を覆って泣いた
膝は崩れ落ち、もう立ってはいられなかった
冷たい石畳の上に、膝をぶつけても痛みなんて感じない
嗚咽とともに喉は熱いもので塞がれ、息ひとつ飲み込むだけで酷く痛んだ
「うぅ、、、う、、、、」
小さい頃に島の人に、疫病神と言われたのを思い出す
その通りだと思った
現に私の周りの人は、皆不幸になっているではないか
こんな私が神様に仕えるなんて、思い上がりもいいとこだ
そもそも、自分がローに出会わなければ良かったのだ
そうしたら、コラソンだっておかあさんだって死ななかったし、ローを傷つける事もなかった
自分の存在が酷く価値のないものに思えて、ますます涙は止まらなくなった