第7章 償いと再会
10年後
とある島の街外れ
「すまないね。シスター主人公。つい階段を踏み外してしちまって。」
「いいんですよ。階段の低い場所でよかったわ。上から落ちていたら大怪我になるとこでしたもの。」
捻挫を固定する為、包帯をきつ目に巻きながら主人公は微笑んだ
あれから10年
主人公は教会でシスターになっていた
正確には医師兼、シスター
街外れにある教会を一人で切り盛りしながら、地域の為に医師もしている
22歳になった彼女は、すっかり大人の女性に成長していた
胸の下まである輝くばかりの金色の髪は、普段は邪魔になるのできっちりと結い上げベールの中に隠している
しかし、くっきりとした目鼻だちは隠しようがなく、長い睫毛の下には誰もが海を思い浮かべる蒼い瞳が控えめな宝石の様に輝いている
日に焼けにくい体質なのか雪のように白い肌に、蒼い瞳と桜貝のようなピンク色の薄い唇が、化粧などしなくても彼女の美しさを十分に引き立てていた
島の人はその島の気候と同じく皆、穏やかで親切だった
そして皆、信心深く、慎ましく、争いなんて滅多と起こらない平和な場所
「本当にシスターには感謝しとる。街の病院までは年寄りの足ではどうにも遠いからな。」
「感謝しているのは、私の方ですよ。今は亡き神父様とここの方々に私は命を救っていただいたんですから。」
そう、まさか自分にこんな穏やかな時間が訪れるとはあの頃には夢にも思わなかった