第7章 セスー囁けば二重人格ー
「っ、はぁ、…っ」
セスの吐息がアリスの耳にかかる。責められているのが左耳だからなのか身体の左側だけに鳥肌がたつ。
「あらっ、こっち側を可愛がってる時はこっちだけ敏感になるのねっ、素直で良いカラダ。…次はこっちねっ」
今度は右耳は移動する。アリスの身体の反応もセスに合わせて変化する。
「っ、ぁ…っ」
アリスから小さな声が漏れる。でもセスがくれる刺激は甘く優しいものでとてもじゃないけれどこれで達するなんてことは考えられない。
「……、アリスちゃん、これでイクなんてできないって顔してる。…ちがう?」
「…っ!?」
セスに言い当てられアリスが目を見開く。
「…やっぱり、ねー」
「…ぁ、の、…セスさ、」
「…随分私のことなめてくれてるじゃない?ね、アリスちゃん?…これは、お仕置きかしらね…」
お仕置きという言葉にアリスの顔が強張る。
「…へ…?」
そんなつもりないです!と伝える前にセスがアリスの耳の淵を口に含んだ。
「…手加減してあげてたのにー。いらなかったみたいね…」
「っ、ぁ、やあっ、ぁっ、」
アリスは漸く気づく。セスは喋る時いつも耳から少し離れてた。つまりーー耳元で喋られるのは初めてだ。
「…吐息だけじゃ足りないみたいだからね、ここで、話してあげる、…ねぇ、どんな感じかしら…?」
「っ、っ、ぁ…はぁ、っ…ぁ」
ゾクゾクと身体のどこからか湧いてくる快感。
「…気に入ってくれたみたいで、よかったわ…」
「っやぁっ…やめっ、」
セスが言葉を発する度にアリスの中をゾクゾク何か登ってくる。無意識にまた逃げ出そうと身体をよじる。
「…だめよ。…逃がさない…。ほっとくとすぐ逃げようとするからアリスちゃんは悪い子ね…」
セスの歯がアリスの耳たぶをカリッと甘く噛んでそのあとすぐに優しく舐める
「っぁ、…っ、せす、さんっ、…だめっ、なんか、っゎたしっ」
キスの時よりも早く訪れた身体の変化にアリスは不安になりセスを見上げる。
「…どうしたの?そんな可愛い顔して」
「っ、ぁ、の、…からだ、おかし、くて…」
ふふ、とセスが笑う
「…そうみたいね。…アリスちゃんの目、さっきと違うもの…」
セスが言うアリスの目は熱を孕んで色っぽく潤む。少女の面影は残したままだが少しずつ変化をしていた。
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