第2章 【R18】馴れ合いでもいい
異様な雰囲気が流れる。
とりあえず体を拭き、机から降りてミケの近くに寄ると、なんだか小さく見えるミケがこちらを見上げた。
「相手は誰なんだ。その位はいいだろう」
「……あの、それ……何の話?」
「何の話って……お前が男の存在を否定しなかったんだろう。その男は誰なのかと聞いてる」
早口でイラついているのが分かるが、申し訳ない、ケイトは笑いと嬉しさが込み上げた。
ケイトがニヤニヤとしていると、ミケが睨んできた。
「ふふ、ごめん。私、今誰とも交際してないよ」
「……嘘つけ」
「本当」
「居ないのにそんな下着を毎日?」
「うん。私は立体機動を使わないしね。似合ってないかもだけど、デザインが自由なものを着けてる。……色気が無い、って言葉……一応、気にはしてるから……今更変えるのもやらしいし、見えない所は女で居ようかな、と」
ボソボソと話すと、ミケがケイトの手に触れてきた。
ミケを見れば、安堵の混じった表情。
「……良く、似合ってる」
「あ、りがと……はは、なんだか恥ずかしいな……」
ケイトが照れていると、ミケがケイトのシャツのボタンを全て外して脱がし、スカートを下ろした。
ガーターベルト付きのビスチェと、ガーターストッキングの姿になったケイトの身体を、指先で触れながらじっと見る。
「なら、これを知っているのは……」
「ミケさんだけです。他に見せる予定はありません」
「……そうか」
嬉しそうにケイトを見るミケ。互いにそれ以上の言葉は交わさずにキスをした。今までの馴れ合いでも良かったが、今この瞬間から違うものになった気がする。
「終わったか?」
総務室の扉の向こうから聞こえたエルヴィンの声によってケイトとミケは危うく心臓が飛び出す所だった。
ケイトの女事情を知るのはミケ、と、見てはいないがエルヴィン、この二人である。
-第2章 馴れ合いでもいい END-